多分割BLD、MBLD向け記憶法――場所法とは?(Y.Yさんからの寄稿)
多分割BLD(4BLD入門、5BLD入門)やMBLD(MBLDを始めよう!)のやり方を理解し、いざやってみようと思ったものの、記憶量が多すぎてなかなか文字を覚えられず、全然成功しない……。
そんな方は多いと思います。その際にお勧めなのが場所法という記憶方法です(この記憶方法は、文字によるイメージ記憶(ストーリー記憶)を知っていることを前提とした方法です。知らない方はこの記事を読んでください)。
場所法とは、レターペアで作った4~8文字からなるストーリーを、あらかじめ自分で用意しておいた特定の「場所」に関連付けるやり方です。この「場所」というのは特に広さなどに制限があるわけではなく、他の場所と区別できればどんな所でも大丈夫です。
……と説明してもよく分からないと思うので、ここからは場所と覚え方の具体例を書いていきます。
【使用する場所の例】
エリア……実家
場所:①トイレ→②洗面所→③机→④台所→⑤玄関
このように、1つのエリアに複数(5,6個くらい)の場所を置くように考えておくと、キューブ・パーツの種類ごとに記憶をまとめられるので覚えやすくなると思います。
では実際にこのエリアを使って文字列を記憶してみます。分析が(ひつれりしさすく…)となった場合、まず最初の「ひつれり」の記憶を①のトイレと関連付けます。例えば、『トイレにいったら羊が連立方程式を解いていた』と覚えます。次に、「しさすく」は『トイレから洗面所に移動したら、シーサーがスクエア1を解いていた』という感じで記憶していきます。以降の場所にも同様にイメージを関連付けていきます。
このように場所法を使うことで、複数の記憶を混同せずに覚えられ、その結果大量の文字を覚えても忘れにくくなります。是非場所法を試してみて下さい。
場所の決め方のコツとしては、なるべく自分が慣れ親しんだ場所を用意した方が覚えやすくなると考えています。また、『自分がよく通る順番』や『近い順』など、場所の順番をわかりやすくすることで記憶の順番も間違えにくくなるため、おすすめです。
以下に、大量の文字を覚える必要のある公式競技で実際にどのように場所法を使えばいいのかを書いていきます(あくまで一例です)。参考にしてみて下さい。
・MBLD
MBLDでは、1つのキューブ当たり平均約20文字(エッジ12文字+コーナー8文字)を覚える必要があります。
4文字を1つの場所に割り当てると、エッジが3つの場所・コーナーが2つの場所で、1つのキューブ当たり合計5つの場所が必要になります。
実際はエッジが12文字以上になったりコーナーが8文字以上になったりすることもあります。その際は、エッジなら3つ目の場所、コーナーなら2つ目の場所で5文字以上からなるストーリーを作って、無理矢理配置しましょう。
・4BLD
4BLDで覚えるべき文字数は、センターが平均約16文字、エッジが平均約24文字、コーナーが平均約8文字です。
4文字を1つの場所に割り当てる場合、センターに4つの場所を、エッジに6つの場所を使うとちょうどいいことが多いです。コーナーに場所法を使うか使わないかについては個人の記憶力によります。
・5BLD
5BLDでは、xセンター・+センターがそれぞれ平均約20文字、ウィングエッジが平均約24文字、コーナー・ミドルエッジ合わせて平均約20文字の文字数になります。
xセンター・+センターにそれぞれ5つ(計10個)の場所、ウィングエッジは6つの場所、コーナー・ミドルエッジはMBLDの際と同様にミドルエッジ3場所・コーナー2場所使えば上手く文字を配置できます。
ここで挙げた例以外にも、場所法の使い方は様々です。自分は多分割BLDでは8~10文字を1つの場所に置いていますし、MBLDの世界トップ層はコーナーとエッジをそれぞれ1つの場所にまとめて配置しています。ですが、文字数の多いストーリーを作るのは難しいケースもあるので、場所に慣れていないうちは4文字といった少ない文字数を1つの場所に配置した方がいいと思います。工夫の余地がある部分なので、是非みなさん試行錯誤してみて下さい。
参考文献:『場所法について』
場所法について簡潔にまとめられています。
『大量記憶の場所法について。自分のやり方。』
場所法の細かいコツについて、詳しく具体的に書かれています。
(2018/04/18 執筆者:Y.Y)