Cube Voyage

ルービックキューブの速いそろえ方、解き方、最速攻略法、解法、スピードキューブ、LBL法など

4BLD入門(Y.Yさんからの寄稿)

3BLDはなんとか出来るようになったけども、4BLDはとても大変そうだから止めておこう(´`)
そんな人多いと思います。でも4BLDの解法は難しくなく、新しく覚える手順はそれほど多くありません。気軽な気持ちで4BLDに挑戦して良い公式記録を残しましょう!(`´)

この記事は
・4BLDをできるようになりたい
・M2、Old Pochmann解法で3BLDができる
・コミュテータ-とか感じられない
という人を対象に書いています。

BLDで早く揃えるには3-cycle(コミュテータ-)手順を使うのが必須ですが、3-cycleは使い分ける手順が膨大で自由度が高く、初心者にはとっつきにくいと思います。なのでまずは簡単な2-cycle解法(U2法、r2法)で揃えられるようになってから徐々に3-cycleに変えていくと楽に4BLDを始められると思います。この記事ではU2法、r2法を用いた4x4x4の目隠し解法の解説を行います。

・はじめに
4x4x4はセンター、エッジ、コーナーの3パートを揃えれば完成します。コーナーはOld Pochmannで揃えられ、エッジもM2法とほとんど同じr2法というもので揃えられるので簡単です。センターはやや難しいですが、U2法を用いれば頭を使わず揃えられるので、すぐにできるようになります。最初にセンターをそろえる方法を説明していきます。

1.センター

・ナンバリングについて
4BLDはじめるにあたってセンターのナンバリングをどうしようと悩む必要はありません。3x3x3のコーナーのナンバリングをそのままセンターに流用することができます。センターのUrfの位置にはそのままコーナーのURFの文字を当てましょう。
(ステッカーの表記
「URF」→U面とR面とF面に接するコーナーパーツの、U面にあるステッカー
「Urf」→U面にあるセンターパーツの、R面・F面側にあるステッカー)

・U2法
4BLDでセンターはU2法と呼ばれる解法を使えば揃えられます。原理はM2法と同じで、UlbをバッファにしてUrfをターゲットにします。そして、[Urfの位置に揃えるパーツをセットアップ]→U2→[逆セットアップ]をひたすら行います。以下の表に手順をまとめます。(r,lなど小文字の回転記号は内層回し)

この中で覚える必要のある手順は☆をつけた3つだけです。まずUflとUbrの手順をみてみましょう。どちらも少し長いですが、規則的でわりと覚えやすい手順だと思います。そしてこの二つの手順は実行が偶数回目の時はそれぞれ反対の手順を使います(M2法の例外手順と同様)。
また、Dfrの手順は少し難しいですが、(r2 D’ r2 D r2)の5手でDfrをUfrにセットアップしています。残りのD面センターはDfrにもってきて揃えましょう
残りの手順は頭の中でステッカーの場所をイメージしてUrfにセットアップする手順を考えれば簡単にできます。慣れてくるとほとんど頭を使わず手順を回すことができます。
Fdrなどのセンターは(d’ r’ d r)と(d r’ d r)みたいに2通りのセットアップが思い浮かんで、逆セットアップが分かりづらくなるので注意しましょう。4手セットアップが必要なパターンは1手目をuかd’しか使わないように規則づけて分かりやすくするのがおすすめです。

表 U2法の手順(Ulbバッファ)

Ufl  l u’ l’ U l u l’ U l u’ l’ U2 l u l’ U2
Ubr  l u’ l’ U’ l u l’ U’ l u’ l’ U2 l u l’ U2
Ufr U2
Fur y’ (r’ u r) U2 (r’ u’ r)
Ful (r u2 r’) U2 (r u2 r’)
Fdr (d’ r’ d r) U2 (r’ d’ r d)
Fdl y (l d l’) U2 (l d’ l’)
Luf y’ (u r’ u’ r) U2 (r’ u r u’)
Lub (r u r’) U2 (r u’ r’)
Ldf (r’ d r ) U2 (r’ d’ r)
Ldb y (l d2 l’) U2 (l d2 l’)
Bul y’ (r’ u’ r) U2 (r’ u r)
Bur (u’ r u r’) U2 (r u’ r’ u)
Bdl (r’ d2 r) U2 (r’ d2 r)
Bdr y (l d’ l’) U2 ( l d l’)
Ruf (r u’ r’) U2 (r u r’)
Rub y' (r’ u2 r) U2 (r’ u2 r)
Rdf y (d’ l d l’) U2 (l d’ l’ d)
Rdb (r’ d’ r) U2 (r’ d r)
Dfr (r2 D’ r2 D r2) U2 (r2 D’ r2 D r2)
Dfl D (r2 D’ r2 D r2) U2 (r2 D’ r2 D r2) D’
Dbl D2 (r2 D’ r2 D r2) U2 (r2 D’ r2 D r2) D2
Dbr D’ (r2 D’ r2 D r2) U2 (r2 D’ r2 D r2) D

・分析 実行 パリティについて
U2法の手順を回せるようなったら後は記憶して揃えるだけですね。センターの分析は慣れないうちはかなり難しいと思うので頑張りましょう。

まず4BLDは好きな中心のセンターが無いため好きな面から揃えることができます。そのため、できるだけセンターが揃っている開始面を選びましょう。一番センターが良く揃っている開始面を探すのは意外と大変なので、まずはD面の色が一番多い面を選んでから、y系の持ち替えをして決定するといいかもしれません(D面の手順は長くて面倒なので)。

例を出してセンターの分析をしてみましょう。

(各々の基準面の向きに持ってからスクランブルを回してください)
スクランブル:l u’ d2 l’ u d2

分析をすると、(Ubl→)Lub→Fdr→Bul→Dfl→Ful→Ufl→Bdl→Dbl→Rub→Bdr→Fdl(→Ubl)
となります。あとは上表の手順をこの順番で回せば良いです。このとき奇数回で実行が終わるためパリティの状態となっています。U2法のパリティの解消は簡単で、センターの実行の最後にU2を回すだけです。

センターを分析するときに気を付けたいのは
・どのパーツを分析したかわかりやすくする
・なるべくループを増やさない
で、そのためのコツとして以下の二つがあります。
①同じ面では決まった順番で埋めていく(ナンバリングが五十音順で若い順、時計回り、など)
②U面のパーツを分析するのは後回しにする

①については、上記の例ではFdrを分析した後はB面にあるどのパーツに移ってもいいのですが、例えばBurから時計回り(Bur,Bul,Bdl,Bdr)に優先順位を決めておくと、今回はBurは揃っているのでFdrの次はBulを分析し、そして指をBulの所に置きます。次にB面パーツを分析するのはUflの後ですが、この時は指が置いてあるパーツの次のパーツ、つまりBdlを分析し、指をBdlにずらします。そして次のB面も同様に、Rubの後にBdrを分析し、指をBdrにずらします。指がB面の終点に来たので、これでB面のセンターを全て分析したことがわかります。
この方法の利点は、パーツの分析漏れを容易に減らせる所です。各面に付き指を1本ずつ、計6本だけで自分がどこまで分析したか把握できます。
欠点としては、必ず同じ順番で分析しているとループが増えてしまい記憶量が多くなるケースがあります。ただ、順番を工夫してループを減らす努力をするよりも、多少ループが増えてもいいから順番通りに分析した方が楽だと思います。さらに、次の②を用いればループは9割方(著者の体感です)1つで済みます。

②については、上記の例ではLubを分析した後にF面を分析します。F面の優先順位をFulから時計回りとあらかじめ決めておきます。その場合、Fulを分析するのが①のやり方でした。しかし、この場合はFul,FdlにはU面のパーツがあるため、それらを避けてFdrとした方がいいです。何故かというと、U面パーツを全て分析し終わるとループが切れてしまうので、なるべくU面パーツを分析するのは後回しにしたいからです。
慣れるまではややこしいかもしれませんが、U面の色に着目すればいいだけなので比較的すぐに慣れると思います。手間がかからない割には効果的だと考えています。

センターの分析に慣れないうちは分析の順番を間違えたり、どこまで分析したか忘れたりしてこんがらがることもあると思います。これで嫌になるひとも多いかもしれませんが、めげずに慎重にやれば必ずできるようになるので頑張りましょう。

2.エッジ

・ナンバリングについて
4x4x4のエッジもセンターと同様に新しくナンバリングを考える必要はなく3x3x3のエッジのナンバリングを流用できます。
r2法ではDF(下の図の赤い所)をバッファとします、このとき、DFのステッカー面が動いていける場所はオレンジで示された場所のみです(4x4x4のエッジはその場で反転できないため)。

そのため、オレンジ色で示されたところにのみナンバリングをすればよく、3x3x3のエッジと対応させ、ナンバリングを流用することができます。FDのエッジのみは3BLDでは使わないため、FDにナンバリングしていない人はナンバリングを新しくつける必要がありますが、わざわざそこだけ省いている人はそこまで多くないでしょう。

・r2法
r2法はM2法のM2の代わりにr2を使うだけで、あとはM2法と一緒です。
しかしl列のエッジ(BU、UF、FD、DB)はM2法の手順を流用できないため、以下の表の手順を新しく覚える必要があります。

r2法 例外手順(l列)

BU (B’ R’ B R’ U R U’) r2 (U R’ U’ R B’ R B)
UF l’ (B’ R’ B R’ U R U’) r2 (U R’ U’ R B’ R B) l
FD l2 (B’ R’ B R’ U R U’) r2 (U R’ U’ R B’ R B) l2
DB l (B’ R’ B R’ U R U’) r2 (U R’ U’ R B’ R B) l’

このうち覚える手順は実質BUの1種類です(他の手順はl列を回してBUにセットアップしているだけ)。この手順は(B’ R’ B R’ U R U’)の7手のうち前半3手でBUをURにセットアップし、後半4手でURをUBへセットアップ、というように2段階でセットアップしています。少し手数が多いですが、意外と回しやすいと思います。ちなみにこのBUの手順は3x3x3のM2法でも使えます。
M2法と違ってUF、DBは奇数回目の時に反対の手順を回したりする必要はありません。これらのステッカーはr2しても移動しないからです。

r列のFU、BDはM2法と同様に偶数回目の時は反対の手順を回します。それぞれの手順はM2法の手順をそのまま使えます。(F d R U R’ d’ R U’ R’ F’ r2のように)
ここでは以下の手順にするのをおすすめします。

r2法 例外手順(r列)

FU D r U R2 U’ r’ U R2 U’ D’ r2
BD r2 D U R2 U’ r U R2 U’ r’ D’

・分析 実行 パリティについて
r2法はセンターと違って新しいことは少なく、理解するのはそこまで難しくないと思います。ただセンター同様に分析が非常に難しいです。並んでいる二つのエッジのうちどちらを分析するのかややこしいですし、新しいループを作る際に分析していない場所を見つけるのも難しいです。最初のうちは指で何文字か数えながらしっかりと全箇所分析しているかどうか確認してから実行に入りましょう。
また、エッジもパリティが存在し、1文字余るという状況があります。このときは以下のパリティ手順を使って処理しましょう。

パリティ手順(DF⇔FU):x l’ U2 l’ U2 F2 l’ F2 r U2 r’ U2 l2

(この手順を実行するとセンターが回転します。必ずセンターを揃えてからこの手順を回しましょう!)
最後のエッジがFUに簡単にセットアップできるときは、FUにセットアップしてパリティ手順を回し、逆セットアップをすれば良いです。難しいときはr2法で最後まで回したあと、r2 → D’ L’ F(セットアップ) → パリティ手順 → F’ L D(逆セットアップ)で処理しても良いと思います。
また、エッジの3-cycle手順は一部r2では流用できません(U-permやM’ U2 M U2など)。
3-cycleで実行する人はこのことに注意しておきましょう。

3.コーナー、実行順について

コーナーはOld Pochmannで全くそのまま解けます。ただ3BLDと違って注意する点があります。まず、4BLDではコーナー単独のパリティが存在するので、この手順だけ覚える必要があります。最後の一文字のOld Pochmannの手順を回した後

パリティ手順:y2 R U R’ U’ (r2 U2 r2 Uw2 r2 Uw2 U2) U R U’ R’

と回しましょう。水色文字の所はキャンセルが起きますが、無理にキャンセルさせて回さなくてもいいです。確実に回しましょう。
最後に全体として、実行する順番に関する問題があります。実はOld Pochmannで使うY-permはU面センターが90°回転します。また、コーナーのパリティ処理手順でもセンターが回転します。そのため、何も考えずにコーナーを先に解いてしまうと、覚えた時と実行する時のセンターの配置が異なり、センターが揃わないケースがあり得ます。無難に解くならばセンター → エッジ → コーナーの順番に実行を行えば、パリティの処理を何も考えずにできるのでおすすめです。
ただ、コーナーはすぐに記憶できるので最初にやりたいという人もいると思います。その場合、Old Pochmann手順を4の倍数(4n)回行うとセンターへの影響が無くなることを利用します。パリティの場合は後で書くように最後の1文字はどうしてもセンターが終わるまでは残す必要があるので、最初に実行するPochmann手順は必ず偶数回、つまり4n+2回or 4n回、回しているはずです。そのため4n+2回のときは2回Pochmann手順を空回しすればセンターの向きを矯正できます。
それでもパリティ処理だけは絶対にセンターの後にパリティ処理だけは絶対にセンターの後にやる必要があります。コーナー最後の1文字は実行せず残して別に覚えておいて、センターが終わった直後or最後にPochmann手順+パリティ手順を使って処理しましょう。

ちなみにコーナーを3-styleで全て実行すればセンターが回ることがないですが、パリティ処理は同様にセンターを揃えてから行う必要があります。

(2018/03/27 原著者:ふわ 加筆修正:Y.Y)

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