AUFについて
AUFとは「Adjust U Face」の略で、そのまま訳すと「U面を調整すること」です。
OLLやPLL、さらにはF2Lの時に、手順を使う前にU面を回して位置を合わせることをAUFといいます。
AUFは軽視されがちですが、タイムを縮めるためにはAUFを効率よくすることも重要な要素の一つです。
このページでは、PLLを中心に各ステップでのAUFの効率のよいやり方について説明しています。
F2LのAUF
F2Lの「F2L基本41手順」の中には、最初にUやU'などが書かれているものが多くあります。
しかし、これらのUやU'は本当は必要ないものです。
具体的に見てみましょう。
これは手順表に載っているQ2の画像です。この位置からU'R U R' U2 R U' R'で揃えることができます。
しかしこの時は最初のU'が必要なく、R U R' U2 R U' R'で揃えることができます。
この場合、わざわざUして表のとおりに位置を合わせてからU' R U R' U2 R U' R'と回すのは無意味です。Uした直後にU'しているわけですから、完全に無駄な手を回していることになります。
なぜ表のほうの手順は最初にU'を書いているのかというと、これは表の画像をわかりやすくするためです。
手順表では、コーナーがいちばん前にくるようにU面を調整しています。そのために、本来なら必要ないAUFを、表では仕方なく書いています。
上の例のように、手順表の最初のUやU'などは場合によっては省略することが可能です。
実際のソルブではなるべくAUFの回数を減らし、なるべく少ない手順で揃えることが大事です。
OLL前のAUF
OLLは開始面に合わせる必要があります。
このとき、「持ち替えるのではなく、U面を回して合わせる」方がよいです。
これも具体的に見てみましょう。
これは一番簡単なOLLですね。「F R U R' U' F'」で揃えることができます。
では、これはどうでしょうか?
選択肢は2つあります。「U(トリガー)」か「y(持ち替え)」です。
少し考えれば分かると思いますが、トリガーと持ち替えを比較した場合、トリガーの方が圧倒的に楽です。持ち替えはキューブ全体を動かす必要がありますし、失敗して手間取ってしまう可能性がやや高いためです。
このケースでも、持ち替えるのではなく、トリガーでU面を回して面を合わせるほうが効率がよいと言えます。
初心者向けの解法では、OLL以降も「持ち替えをして面を合わせる」と書かれている場合が多いです。
これは「初心者にとってはU面を回すよりも持ち替えの方がわかりやすい」「F2Lは持ち替えが必要なため、それと同じ考え方で説明した方が楽である」などの理由によります。
しかし、OLLやPLLについては持ち替えをせずともトリガーで面を合わせることが可能です。そのため、LLでは持ち替えではなくトリガーを使ってAUFをするべきです。
今このページを読んでいる人でも、持ち替えるのがクセになってしまって、ついついLLでも持ち替えをしてしまうという人がいるかと思います。
揃えるときにAUFについて意識するようにして、少しずつトリガーによるAUFに慣れていきましょう。
PLLのAUF
PLLのAUFは、「PLL前のAUF」と「PLL後のAUF」の2つがあります。
「PLL前のAUF」は、基本はOLLと同じです。持ち替えではなくトリガーを使ってAUFをします。
ここで問題になってくるのは、下の図のようなケースです。
これはT-perm(n8)です。この図から揃える場合、
トリガー→U2 R U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F' U2
持ち替え→y2 R U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F'
となります。
トリガーだと2回U2をしなければなりませんが、持ち替えだと1回のy2で済みます。
結論から言えば、このような場合でもトリガーの方が良いです。
持ち替えはホールドをやり直さなければいけないため、持ち替えを多用するとソルブが安定しません。たとえ2手増えるとしても、持ち替えは極力避けていくべきであると言えます。
またこれとは別に、PLLでありがちなのは「ついついAUFして2段目と色を合わせてしまいがち」という問題です。
こちらも同じくT-permです。この位置からだと最初のAUFは必要なく、R U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F' U2で揃えることができます。
しかし、U2して緑色を合わせようとしてしまうという人は多いのではないでしょうか?ここでU2をしてしまうと、さらにU2をもう1回してから手順をすることになってしまい、無駄な手を沢山回してしまうことになります。
「PLLの2側面判断」を読んだ方はわかるかと思いますが、2段目と色を合わせなくともPLLを判断することはできます。
余計なAUFを減らすためにも、2段目の色に頼らないPLL判断を身に付けることが重要です。
そして「PLL後のAUF」についてですが、このAUFは先読みすることが可能です。
これは上と同じT-permの画像ですが、「手順の後にU2を回せば揃う」ということを、この画像を見ただけで予測することができます。
PLLの手順を覚えていれば、これを予測することはそれほど難しくないはずです。
ただ、これをいちいち考えていると余計な時間がかかってしまいます。わざわざAUFの先読みをするのはもったいないようにも感じられますね。
そこでよい方法は、手順を回しながら考えるということです。手順を回している間の時間を利用するのです。
PLLを始める前の状態をよく見ておき、手順を回している間に「最後にどのAUFをすればよいか」ということを考えながら回します。
そうすれば、PLLが終わったあとにノータイムでAUFをすることができるようになります。
これには多少の訓練を要しますが、練習次第で必ず出来るようになります。練習で意識するようにしてみましょう。
まとめ
たかがAUF、されどAUF。
AUFひとつとっても、このようにいろいろなことを考えることができます。ほんのコンマ数秒とはいえ、バカにしてはいけません。
効率のよいAUFを身に付け、より効率的なソルブを目指しましょう。