Cube Voyage

ルービックキューブの速いそろえ方、解き方、最速攻略法、解法、スピードキューブ、LBL法など

自分の5BLDのやり方(Y.Yさんからの寄稿)

はじめに
ここではNRを持っている(2018年3月現在)自分が5×5目隠し競技(以下5BLDと表記)をどう行っているか、分析・記憶・実行の3パートに分けて書いていきます。5BLDの基本的なやり方については他のサイト(4BLD入門(リンク)・5BLD入門(リンク))を参照してください。

1. 分析

5×5キューブの分析で3BLDと大きく異なるのはウイングエッジとセンターです。この2つについて書いていきます。

ウイングエッジについては、自分はほぼ反射的に、どちらのパーツを分析すればいいかわかります。練習していけば誰でもここまでは到達することが可能だと思います。
分析漏れをなくすために、バッファから始まっていないループの数(その方が数えやすいと思います)・揃っているパーツの数を左右の足でカウントしています。ループが終わった時に、【23-揃っているパーツの数+(これまで分析したループのうち)バッファから始まっていないループの数】と【ここまで分析した文字数】の差が1個以下であればこれで分析は終了です。差が2個以上の場合は、さらにループがあるか揃っているパーツを見逃しているかのどちらかなので、頑張って探します。
以下に、この判断基準の適用方法の例を挙げておきます。

例)スクランブル:基準面からD(バッファはDF)
この時、分析は(バッファ→)DL→DB→DR(→バッファ)となり、ループが途切れます。この時(D面以外のパーツは揃っていることが明らかなので)『揃っているパーツの数』は16、『バッファから始まっていないループの数』は0で、これを式に当てはめると23-16+0=7です。ここまで分析した文字数は3で、7との差は4であり2以上のため、まだ見ていないループ(あるいは揃っているパーツの見逃し)があることがわかります。今回のケースでは、FDは明らかにまだ分析していません。
そこで、次のループをFDから追っていきます。FD→LD→BD→RD→FDとなり、ここまで分析した文字数の合計は3+5=8となります。『揃っているパーツの数』は16と変わらないですが、FDから始まるループはバッファから始まっていないループであるため、『バッファから始まっていないループの数』が1となり、式に当てはめると23-16+1=8です。文字数と一致したため、これで分析は終了であることがわかります。
(実際には揃っているパーツはほとんどないので、分析文字数が16文字に達するまではいちいち計算せずに新しいループを探しています。また、計算に掛ける時間は1,2秒ぐらいです。)

計算によりループがまだ残っていることが判明した時は、何となくここは分析していない気がするなあ、というステッカーを探して分析を再開します。もし間違っていても2,3文字分析すれば気が付くので、その時は別の場所を探します。調子がいいとすぐ見つかりますが、ダメなときは全然見つからない時もあります……。

センターについては分析したかどうかをわかりやすくするために、分析する順番を決め(U面パーツは例外)、パーツを指で押さえて分析しています。詳しいやり方は4BLD入門(リンク)を参照してください。

2. 記憶・復習

5×5キューブの記憶量はだいたい3×3キューブ4個分くらいです。内訳としてはxセンター・+センターがそれぞれ平均約20文字、ウイングエッジが平均約24文字、ミドルエッジ・コーナー合わせて平均約20文字で合計約84文字です(参考:3×3キューブは約20文字)。
記憶量としてはめちゃくちゃ多いわけではないですが、自分は場所法を用いています。センターは10文字を1つの場所に置くことでx,+それぞれ2つ、合計4つの場所に収め、ウイングエッジは8文字を1つの場所に置いて合計3つの場所に収めています(ウイングエッジで場所ごとの文字数が少ないのは、文字数を数えやすくして分析漏れをなくすためです)。コーナー・ミドルエッジは3BLDと同様に解くので場所法は使いません。
細かい記憶のテクニックについては他に譲ります。『自分のMBLDのやり方(リンク)』の記事で多少書いているので、参考になるかもしれません。

具体的な記憶・実行の順番としては、xセンター→+センターの順に分析・記憶した後、これらを復習します。その後、ウイングエッジを分析・記憶し、ウイングエッジのみ復習します。最後に、コーナー・ミドルエッジをこの順番で3BLDと同様に記憶し、実行に移ります。実行の順番はミドルエッジ→コーナー→xセンター→+センター→ウイングエッジです。パリティは最後にまとめて処理しています(ミドルエッジ・コーナーの実行とパリティで時間差があり忘れてしまうので、実行が終わった直後に有無を足の指で記憶しています)。
記憶にはだいたい3分~4分かかります。

3. 実行

自分は全て3cycle手順を使っています。ウイングエッジは3BLDのエッジ手順をほとんど流用しており、センターについてはだいたい1手セットアップ以内で回せるようにしています(持ち替えは多用)。
タイムを縮めるためには2cycleよりは3cycleの方がいいのはもちろんですが、手順を思い出すのに時間や頭を使っていると結局あまり時間が変わらない、それどころか記憶を忘れたり回し間違えたりということになりかねません。また、3cycleに相当慣れていないと、急いで回した時に無意識に手順を回し間違えてしまう事があります。
そのため、自分は見ながら3cycle手順を回す練習や、センターだけ覚えて解く、などの練習を行っていました。
ミスの中で特に多いのは逆セットアップ間違えや3cycleの向き間違えなので、そこは一応気を付けて実行しているつもりです……が、よく間違えます。集中できるようなコンディション作りが大事です。

実行には3~4分かかります。記憶も含めた合計タイムは6~8分です。

終わりに

最初にも言いましたが、あくまでこれは自分の解き方ですので、全てをコピーするのではなく、いいと思った部分のみを自分の方法に取り入れていくのがいいんじゃないかな、と思います。
5BLDはなかなか成功せず時間もかかるので辛い競技ですが、その分成功した時の達成感は格別ですし、ステップが多いのでタイムの伸びしろも色々な部分に見つけることが出来ます。是非チャレンジしてみて下さい。

(2018/03/27 執筆者:Y.Y)

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