5BLD入門(Y.Yさんからの寄稿)
4BLDはなんとか出来るようになったけども、5BLDはとても大変そうだから止めておこう(´`)
そんな人多いと思います。でも4BLDの解法を理解しているのであれば5BLDの解法は難しくなく、新しく覚える手順はそれほど多くありません。4BLDを新たに習得することに比べればかなりハードルは低いです。気軽な気持ちで5BLDに挑戦して良い公式記録を残しましょう!(`´)
この記事は
・5BLDをできるようになりたい
・4BLDの解法を理解している(4BLD入門(リンク)の記事を読んで理解した)
という人を対象に書いています。
はじめに
5x5x5は+センター、xセンター、ウィングエッジ、ミドルエッジ、コーナーの5パートからなり、それらを全て揃えれば完成します。このうちxセンター・ウィングエッジ・コーナーは4BLDにおけるセンター・エッジ・コーナーと全く同じ解き方で揃えられます。そしてミドルエッジは3BLDのエッジと同様にM2法で解くことができます。
よって、5BLDを解くために新しく解法を学ぶ必要があるのは+センターだけです。ただ、ミドルエッジ・コーナーのパリティについては少し工夫する必要があります。また、ミドルエッジを解く際には気を付けなければいけないことがいくつかあります。この記事ではそれらについて順に書いていきます。
1.+センター
4BLDの時と同様で、+センターもコミュテーターを使うと速く解けますが、これもやはり初心者には学びにくいので、ここでは2-cycle解法であるU2法について書いていきます。
・ナンバリングについて
+センターのナンバリングについては、3x3x3のエッジのナンバリングをそのまま流用することができます。+センターのUfの位置にはそのままエッジのUFの文字を当てましょう。
(ステッカーの表記
「UF」→U面とF面に接するエッジパーツの、U面にあるステッカー
「Uf」→U面にあるセンターパーツのうち、F面側にあるステッカー)
・U2法
4BLDのセンター(xセンター)で用いたU2法と同様に、+センターにもU2法が存在します。バッファをUb、ターゲットをUfとし、[Ufの位置に揃えるパーツをセットアップ]→U2→[逆セットアップ]を繰り返し行います。このように書くと4BLDのxセンターU2法とほとんど同じなことがわかると思います。以下の表に手順をまとめます。
(r,lなど小文字の回転記号は内層回し、Eは上から3層目を正面から見て右に回す方向)
Ul、Urの手順は少し特殊ですが、xセンターのUflとUbrの手順のうちl,l’をM,M’に変えただけです。回す列が変わっただけで動きはほとんど一緒なので、4BLDが出来る人であればすぐに覚えられると思います。
もちろん、この二つの手順は実行が偶数回目の時はそれぞれ反対の手順を使います
(M2法の例外手順と同様)。
それ以外の手順は、揃えるべきステッカーの動きを考えればすぐに理解できると思うので、丸暗記する必要は全くありません。対称性がはっきりしているので、xセンターよりもわかりやすいです。
4手セットアップが必要なケースについては、xセンターと同様に2通りのセットアップが考えられると思うので、あらかじめどちらの向きに1手目を回すか決めておきましょう。これも4BLDのセンターの時と同様ですね。
表 U2法の手順(Ubバッファ)
Ul | M u’ M’ U M u M’ U M u’ M’ U2 M u M’ U2 |
Ur | M u’ M’ U’ M u M’ U’ M u’ M’ U2 M u M’ U2 |
Uf | U2 |
Fu | (u’ M’ u’ M) U2 (M’ u M u) |
Fr | y’ (r’ E’ r) U2 (r’ E r) |
Fd | (d’ M d M’) U2 (M d’ M’ d) |
Fl | y (l E l’) U2 (l E’ l’) |
Lu | (M’ u M) U2 (M’ u’ M) |
Lf | y’ (E’ r’ E r) U2 (r’ E’ r E) |
Ld | (M d M’) U2 (M d’ M’) |
Lb | y (l E2 l’) U2 (l E2 l’) |
Bu | (u’ M’ u M) U2 (M’ u’ M u) |
Bl | y’ (r’ E r) U2 (r’ E’ r) |
Bd | (d’ M d’ M’) U2 (M d M’ d) |
Br | y (l E’ l’) U2 (l E l’) |
Ru | (M’ u’ M) U2 (M’ u M) |
Rb | y' (r’ E2 r) U2 (r’ E2 r) |
Rd | (M d’ M’) U2 (M d M’) |
Rf | y (E’ l E l’) U2 (l E’ l’ E) |
Df | (M d2 M’) U2 (M d2 M’) |
Dl | D (M d2 M’) U2 (M d2 M’) D’ |
Db | D2 (M d2 M’) U2 (M d2 M’) D2 |
Dr | D’ (M d2 M’) U2 (M d2 M’) D |
・分析 パリティについて
分析・記憶についてはxセンターと同様に行ってください。これも慣れるまでは大変なので頑張りましょう。
パリティも同様で、U2を回すだけです。
2.ミドルエッジ・コーナーのパリティ処理
4BLDではコーナー単独でパリティが発生・処理していましたが、5BLDではミドルエッジとコーナーのパリティは同時に発生し、同時に処理する必要があります(ミドルエッジが3BLDのエッジに対応するパーツだと考えればわかりやすいでしょう)。
コーナーをOld Pochmannで、ミドルエッジをM2法で解く際のパリティ処理方法は以下の通りです。
コーナーよりも先にミドルエッジから実行し、M2法で一通りミドルエッジを実行し終わった直後に3BLDと同様のパリティ手順(D’L2 D M2 D’L2 D)を行います(これはセンターに影響を与えないので、センターを揃える前に実行してもokです)。その後、4BLDと同様にコーナーをOld Pochmannで実行し、最後の一文字のOld Pochmannの手順を回した後
パリティ手順(DF⇔FU)L U L’ U’ (Rw2 F2 U2 r2 U2 F2 Rw2) U L U’ L’
を回せば、パリティが処理できたことになります。
4BLD コーナーのパリティ処理とやりたいことは全く同じで、Old Pochmann手順で入れ替わってしまったウィングエッジを元に戻しているだけなのですが、4BLDと同じ手順を使うと+センターが崩れてしまうので別の手順を用いています。
4BLDの際と同様に、このパリティ手順もセンターを崩してしまうので、センターを揃えてから実行する必要があります。詳しいことは後で書きます。
3.ミドルエッジ実行の際に気を付けること、実行順について
4BLDではコーナーをOld Pochmannで実行する際にセンターが回転してしまうため注意しなくてはならない、という話があったと思います。ミドルエッジをM2法で解く際も、一部センターの配置が崩れてしまう(≠回転)手順があるため、もしセンターを揃える前にミドルエッジを実行するのであれば気を付けなくてはなりません。
(以下に示す手順のうち ☆ のついたものは、センターを揃えた後でも崩れてしまうため、絶対に使ってはいけません!)
以下に、気を付けなければいけない手順とその対処法を書いていきます。
・UF・DBのM2法手順
3BLDでは、UFはU2 M’ U2 M’、DBはM U2 M U2という手順を使いますが、これらの手順はセンターの配置を崩してしまいます(センターを揃えた後なら大丈夫)。そのため、代わりに
UF:M D2 M’ U2 M D2 M’ U2 M2
DB:M2 U2 M D2 M’ U2 M D2 M’ (UFの逆手順です)
という手順を使いましょう。
・EO処理
EO処理手順は以下が有名ですが、どちらもセンターの配置が崩れてしまいます。
M' U M' U M' U2 M U M U M U2
M’ U M’ U M’ U M’ U2 M’ U M’ U M’ U M’ ☆
なので、若干手間ですがEOの2文字をM2法で処理するのが楽だと思います。
・BUのM2法手順
BUにはいくつかの手順があるのですが、このうち
F2 (M' U M' U M' U2 M U M U M U2) F2 M2
U M' U M' U M' U M U M' U M' U M' U M ☆
はセンターの配置を崩します。
なので、
B' R' B R' U R U' M2 U R' U' R B' R B
を使いましょう。ウィングエッジのBU手順とほとんど同じです。
実行順は、x,+センター→ウィングエッジ→ミドルエッジ→コーナー とすると、M2法やOld Pochmannの実行でセンターを考慮したり、パリティ処理の順番を工夫したりする必要がなくなるので一番楽です。
ただ、記憶の方法を考えた時に、ミドルエッジ・コーナーを最後に軽く覚え最初に実行してしまうという方法をとることで、長期記憶の必要な文字数を減らした方が楽だという方もいると思います。その際は、ミドルエッジについては上で述べた通りに、コーナーについては4BLDの際と同様に手順の回数を工夫して、センターの配置が変わらないようにする必要があります。
コーナー・ミドルエッジのパリティについては、4BLDのコーナーパリティの時と同様にどうしてもセンターの配置を崩さないと処理できないので、コーナーの最後の一文字を覚えておきセンターを揃えてからパリティ処理をする必要があります(M2法の直後に行う方のパリティ処理(D’L2 D M2 D’L2 D)は、センターを揃える前に実行して大丈夫です)。
参考文献:『4BLDと5BLD、同時習得の勧め。及び5BLDのU2法解説』
この記事を書く際に参考にしたサイトです。よく分からなかったという人はこのサイトも読んでみると理解の助けになると思います。
(2018/03/27 執筆者:Y.Y)