M2法解説
M2法を説明していきます。
M2法とはエッジを揃えるBLD解法の1つで、あまり考えずに実行することができるため初心者向け解法として知られています。
M2法を学ぶにあたっては、ステッカー記憶(分析)のやり方を習得している必要があります。
まだの方は、そちらから先に習得してください。
基本
M2法は、1つ1つの場所ごとに手順が割り振られており、それらを記憶した順番で実行していく、というものです。
例えば、1つ目の文字が「あ」ならば最初に「あ」の手順を回し、2つ目の文字が「う」ならば次に「う」の手順を回す、といった感じです。
なので、実行はそれほど難しくありません。
以下がナンバリングと手順の対応表です。
文字 | 手順 |
---|---|
あ | M2 |
い | R' U R U' M2 U R' U' R |
う | U2 M' U2 M' ※ |
え | L U' L' U M2 U' L U L' |
か | F E R U R' E' R U' R' F' M2 ※ |
き | U R U' M2 U R' U' |
け | U' L' U M2 U' L U |
さ | B' R B M2 B' R' B |
し | R B' R' B M2 B' R B R' |
す | B' R' B M2 B' R B |
せ | B' R2 B M2 B' R2 B |
た | F2 [M' U M' U M' U2 M U M U M U2] F2 M2 |
ち | U' L U M2 U' L' U |
つ | M2 F R U R' E R U' R' E' F' ※ |
て | U R' U' M2 U R U' |
ま | B L' B' M2 B L B' |
み | B L2 B' M2 B L2 B' |
む | B L B' M2 B L' B' |
め | L' B L B' M2 B L' B' L |
り | U R2 U' M2 U R2 U' |
る | M U2 M U2 ※ |
れ | U' L2 U M2 U' L2 U |
この表を丸暗記しても、M2法を実行することはできます。
ただ、M2法の手順を覚える時にM2法の仕組みを理解しておくと、手順の仕組みがわかり覚えやすくなります。
M2法の原理
M2法の原理には、2点交換×2とセットアップが使われています。
まず、M2という動作を見てみましょう。
これは以下の2つの2点交換と考える事が出来ます。
①DFエッジとUBエッジの交換
②「UFエッジ、U面センター、F面センターから成るブロック」と「DBエッジ、D面センター、B面センターから成るブロック」の交換
この①のエッジ2点交換の際に、UBエッジの場所に他のエッジを入れておくと、M2によってそのエッジとDFエッジが交換されます。
例えばUBエッジの場所にFRエッジを入れる事にします。
この時②のブロックを崩さないようにしたいので、U R U'と回す事でUBエッジの場所に入ります。
→
そしてM2と回すと、DFエッジと「UBエッジの場所にあるFRエッジ」が交換されます。
最後に先ほどのセットアップを逆にU R' U'と回すと、DFエッジとFRエッジの2点交換が完成しています。
もちろんこの時、②のブロックも交換されています。
このようにUBエッジに、②のブロックを崩さないようなセットアップを加える事で、L面R面のエッジを揃える事が出来るのです。
注意:M列のエッジの処理
M列にある「う」「る」「か」「つ」については注意が必要です。
「う」と「る」、「か」と「つ」は対になっていて、その文字を記憶したのが始めから数えて偶数番目の場合、それとは反対の文字の手順を行わなければなりません。
例:スクランブル:D' R' U R U' M2 U R' U' R M2 D
この場合、記憶する文字列は「いう」です。
実行:
まず「い」の手順を回します。
次の文字は「う」なのですが、これは始めから数えて2番目、つまり偶数番目にあたります。
なので、「う」の対の文字である「る」の手順を回します。
「う」「る」「か」「つ」を記憶したのが奇数番目の場合は普通にその文字の手順を行って下さい。
これら4つの手順は先ほどのM2法の仕組みに当てはまらないため、丸暗記する必要があります。
単独エッジ反転の処理
単独エッジ反転があった場合、M2法を行った後に以下の手順とセットアップを使って処理します。
M' U M' U M' U2 M U M U M U2 |
この手順を使う事でUFエッジとUBエッジが反転します。
ただ、UFエッジ、またはDBエッジが反転している場合については注意が必要です。
M2法は、記憶する文字数が奇数個の場合、終了時にUFエッジとDBエッジが交換されています。
そのため、記憶する文字数が奇数個の時はそれらが交換されている事を踏まえた上で、エッジ反転を行って下さい。
また、単独エッジ反転が奇数個の場合、M2法実行後には基準であるDFエッジも反転しています。
なのでDFエッジと絡めてEOを行ってください。
これで実行終了です。
最後にM2法の例をあげます。
例①
スクランブル:L2 U R2 F' R2 D L' F2 U2 D B' D2 B' R2 B D2 F D2 R2 U2 B2
分析:あかさえすみたてるきて、BLエッジが単独EO
解説:
L面R面のエッジについては手順通りに実行すればよいため、ここでは割愛します。
2番目の文字の「か」は、始めから数えて偶数番目に当たるため、「か」の反対である「つ」の手順を回します。
9番目の文字の「る」は、始めから数えて奇数番目に当たるため、普通に「る」の手順を回します。
最後に、BLエッジが単独EOしていますが、このときDFエッジも反転しているため、
セットアップ:z F
を行ってからEO手順を実行し、
逆セットアップ:F' z'
これで終了です。
「M2法の原理」で言う②のブロックが2点交換していますが、これはパリティであるため、コーナーと絡めて解いてください。