3x3LBL法の発展的Substep概要
パズルの解法における各ステップのことを、英語でSubstepといいます。
例えば3x3x3のCFOPはCross,F2L,OLL,PLLの4つのSubstepに分かれています。
しかしこれは解く上で分かりやすく分けたというだけで、必ずしもこの通りに揃えなければいけないわけではありません。
クロスを揃えながらF2Lも同時に揃えたり、OLLを揃えながら同時にPLLを揃えたりしてもいいのです。
3x3を解く上でのSubstepには、とても沢山の種類があります。
このページでは、そういったSubstepのうち、よく使用されているものの概要を紹介しています。
Cross系Substep
ソルブの最初で使用する、Cross以外のSubstepです。
・X-cross (Extended Cross)
クロスを揃える際に同時にF2Lの一つ目も揃えてしまうというSubstepです。
クロスと同じように、決まったやり方は存在しません。経験がものを言うSubstepです。
・FreeFOP
最初のステップでクロスをあえて揃えず、後からクロスを入れるテクニックです。厳密にはSubstepではありません。
クロスが難しく最初のF2Lが簡単に入る場合などは得をしますが、工程がかなり複雑になります。
使用には注意を要するテクニックといえます。
LS(LastSlot)系Substep
F2Lがあと一つで終了するという状態、もしくはIT化が終了してあとはスロットインだけという状態から使用するSubstepです。
・VHLS (Vandenbergh-Harris Last Slot)
スロットインの方法を変えることでEOを同時に処理し、F2L終了時に必ず上面に十字が出来るようにするというSubstepです。
例えば、最後のスロットをR U' R'で揃えたときとR' F R F'で揃えた時では、上面のエッジの状態が変わります。これを応用して、全てのエッジのパターンから十字を揃える手順を覚えます。
Lars VandenberghとDan Harrisという二人の提唱者から名前が取られています。VHF2Lと呼ばれることもあります(古い名称です)。
総数:I型とT型で各8通り×左右対称2通り=合計32通り
・EOLS (Edge Orientation Last Slot)
F2Lの4つ目の手順を調節することでEOを同時に処理し、F2L終了時に必ず上面に十字が出来るようにするというSubstepです。
VHLSとは違い、IT化の時点で手順を変える場合もあるというのが特徴です。
ZBF2LやZBLSと呼ばれることもあります(古い名称です)。
総数:302通り(逆手順や鏡手順をすべて1通りとして計算すると125通り)
・WVLS (Winter Variation Last Slot)
F2LのIT化が終わってI型(R U' R'で揃う状態)になっており、さらに上面のEOがスキップする(=そのまま揃えると十字が出来る)という状態からスタートします。
ここからスロットインの手順を変えて、OLLのスキップを起こすというSubstepです。
Lucas Winterという提唱者から名前が取られています。
単純にWinter VariationやWVと呼ばれることもあります。また古い名称ではF2LLとも呼ばれていました。
ちなみに、T型から同様の処理を行うのはSummer Variationと呼ばれます。こちらはあまり使用されません。
総数:27通り(×左右対称2通り=合計54通り。左右対称verはあまり使われない)
・VLS(Valk Last SLot)
F2LのIT化が終わってI型(R U' R'で揃う状態)の状態からスタートします(EOは終わってなくてもOK)。
ここからスロットインの手順を変えて、OLLのスキップを起こすというSubstepです。
Mats Valkという提唱者から名前が取られています。
ちなみに、T型から同様の処理を行うのはHLSと呼ばれます。Rowe Hesslerという提唱者から名前が取られています。こちらはあまり使用されません。
総数:216通り(×左右対称2通り=合計532通り。左右対称verはあまり使われない)
LL (Last Layer)系Substep
LLで使用するSubstepです。
・COLL (Corners of Last Layer)
十字が出来ている(スキップした)状態から、コーナーの向きと同時にコーナーの位置も合わせるというSubstepです。
使用者はかなり多いです。
総数:40通り
・OLLCP
OLLと同時にコーナーの位置も合わせるというSubstepです。
全パターンを使用している人は少ないですが、簡単なパターンのみ使用しているという人は多いです。
総数:331通り
・2GLL (2-Generator Last Layer)
エッジの向き(十字)とコーナーの位置が合っている(スキップしている)状態から、一発で完成状態まで持っていくSubstepです。
このような状態の場合、RとUの回転のみで必ず全て揃えることができます。実際の手順も、RとUだけを使った手順を使用します。
通常の3x3競技ではあまり使われませんが、OH(片手競技)では基本的にRとUのみを使って揃えていくため、2GLLのメリットが大きくなります。
総数:84通り
・ZBLL (Zborowski-Bruchem Last Layer)
十字ができている状態から一発で完成まで持っていくSubstepです。
もともとはZBという解法のステップの一つです。Zbigniew ZborowskiとRon van Bruchemという提唱者から名前が取られています。
総数:493通り(逆手順や鏡手順をすべて1通りとして計算すると177通り)
・1LLL (1-Look Last Layer)
OLLとPLLを同時に処理するというSubstepです。
総数:3915通り(逆手順や鏡手順をすべて1通りとして計算すると1211通り)
参考:
Category:3x3x3 substeps - Speedsolving.com Wiki
3x3LBL法における発展的substepについて - はたむランド