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Varasano(Ortega) Methodで5秒を切るための小ネタ集

2x2のVarasano Methodでは、単に手順を覚えるだけでなく付随して細かなテクニックを身に付けていくことが重要です。
小ネタ集という名前ですが「一つ一つのネタが小さい」というだけであって、これらをすべて集めるとかなりの量になりますし、またタイムを縮めるためにはどれも重要なものばかりです。とはいえ全部いっぺんに身に付ける必要はないので、出来る所から少しずつやっていきましょう。
不完全一面・OLL・PBLのパートごとに、一つずつ書いていきます。

不完全1面

・手数と確率について
ランダムなパターンを作った際の、不完全1面を作るのに必要な手数と確率の一覧です。

手数 通り数 確率 〇手以下の確率
0手 22654 0.62% 0.62%
1手 132828 3.62% 4.23%
2手 626354 17.05% 21.28%
3手 2057908 56.01% 77.29%
4手 832588 22.66% 99.95%
5手 1828 0.05% 100%

ご覧のように、99%以上のパターンが4手以下、さらに75%以上(4回中3回以上)のパターンは3手以下で不完全1面を作ることができます。これは恐らく、皆さんが思っているよりもずっと高い確率でしょう。
つまり、本当はこれくらいの短い手数で1面を作れるということ、そして皆さんはその多くを見落としているということです。
完全にバラバラの状態から組むケースも多いので、毎回必ず最短手を読むのはあまり現実的ではありませんが、少しずつでも手数を短くするよう練習していきましょう。

・1面パターン集
1面はクロスと同様に、分かりやすいものをパターン化しておくことでかなり読みやすくなります。
自力で思いつくのが難しいパターンを中心に、表にまとめてみました。ぜひ一度チェックしてみてください。
(画像の2枚目は同じパターンを下から見たものです)

3個揃っているパターン
R2 U R2
R2 U' R2
F R U' R'
R U R' F'
2個揃っているパターン
F U' R'
R' U' F
R2 B R2
完バラ(1個も揃っていない)
F R2
F U2 R

・1面の側面ペアについて
どの不完全1面になるのか(0ペア、1ペア、4ペア)は、不完全1面を作る時に必ず読んでおくようにしましょう。1ペアの場合は、FBLRのどの面にペアが来るのかも読んでおきましょう。
これは慣れです。がんばって練習してください。
1面を作る手数が少なくなれば先読みもしやすくなるので、1面の手数を減らすことと並行して行っていくといいですね。

・不完全1面の位置、回し方について
クロスと同様、同じ手順でも位置や回し方を変えることで、1面だけでなく、その後のOLLやPBLの揃えやすさが大きく変わります。
まず、これは言うまでもないとは思いますが、不完全1面はそろった時点で必ずD面に来るようにしましょう。
また1ペアの場合は、うまくPBLにつなげるために、なるべくB面にペアを残すようにすると良いでしょう。

・OLLの先読みについて
不完全1面が読めるようになったら、OLLがどうなるのかを読む練習も行っていきましょう。
OLLを読むときの考え方としては大きく2つあり、「①全てのパーツを同時に1手1手動かして予想する」方法と「②1パーツ毎に動きを予想し、それを3パーツ分やる」方法があります。

①全てのパーツを同時に1手1手動かして予想する
1面までの手数が少ない場合(~2手くらい)に適した方法です。
0手や1手で不完全1面を作れる場合は、簡単に読めると思います。
2手を一気に読むのは最初は大変ですが、コツとしては「1手回せば残り1手」と考えることです。残り1手の状態を想像することで、OLLパターンが読みやすくなります。

②1パーツ毎に動きを予想し、それを3パーツ分やる
1面までの手数がやや多い場合(3手~)に適した方法です。
2x2の上段パーツは4つあります。このうち3個の位置と向きが分かれば、消去法的に残りの1つは読まなくても位置と向きが確定します。
ですので、4つのパーツから読みやすい3つだけを選んで、それぞれの動きを個々に追っていくことで、OLLを確定させることができます。

OLL

OLL自体はもうとにかく速く回すだけです。
あと言うまでもないと思いますが、OLLの時は持ち替えをせず、必ずAUFするようにしてくださいね。

・PBL先読みについて
こちらは、やや発展的なテクニックです。
3x3x3におけるOLLのCP判断と同じことが2x2x2でもできます。そして2x2x2はコーナーしかないため、「CPを判断する=PBLを先読みする」ことにつながります。
各OLLごとに、それぞれのパターンが4ペア(無交換)なのか、1ペア(隣接交換)なのか、0ペア(対角交換)なのかをOLL時に読むことで、そのあとのPBLの判断がぐっと楽になります。ぜひ覚えましょう。
余力があれば、1ペアの場合はFBRLのどの面にペアが来るのかも知っておくと、PBLの判断時間を完全にゼロにすることができます。
なお、OLLCPのようにOLL手順自体を使い分けるのはあまりオススメできません。そこまでやるならCLLやEG-1を覚えた方がいいと思います。Ortegaの時点では、1つのパターンにつき、1つの手順をきっちり使いこなせる方が速いです。

・1面とOLLのキャンセル
(こちらは、かなり難易度の高いテクニックです。出来なくても5秒は切れます。)
1面とOLLが読めていれば、運がよければ手順のキャンセルを起こすことができる場合があります。ぜひ狙ってみましょう。
特にSune系はそもそもの手順がパーツの出し入れで構成されているため、比較的キャンセルは読みやすいです。

PBL

まずは先読み等の前に、OLLが終わったあとに2側面のみで速く正確に判断できるようにしておきましょう。
2x2では後ろを見るのは大きなタイムロスになります。
また、速く正確に回すのもとても大事なことです。

・D面の隣接PLL
完全1面がL面1ペア、上面が4ペアのときに
R' U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F' R2
で、持ち替えせずPLLをこなせます。覚えておくと少し便利です。

・AUF読み
PBLが終わったあとはAUFをして終了ですが、このAUFはPBLを始める前や、回している間に先読みをする事が可能です。
PBL後のAUFが先読みできていると、ノータイムでAUFを揃えることができタイム短縮につながります。特に隣接PLLやPBL3は比較的先読みがしやすいので、ぜひ身に付けておきましょう。

おわりに

最後に、とても重要なことを書いておきます。

2x2x2の練習中は、インスペクションタイムを測らないようにしましょう。

2x2x2は、インスペクションの間にどれだけ先読みができるかが非常に重要です。
15秒で先読みの練習をしても、「読む速度」は上がりますが「読める最大量」はなかなか増えません。
読める最大量を増やすには、時間を制限せずに、自分の力でどこまで読めるかという練習をする必要があります。
そもそもほとんどの競技において、家での練習でインスペクションタイムの15秒を測る意味はあまり無いです。大会直前などはまた別ですが、普段の練習ではインスペクションタイムを計測せず、時間無制限で目いっぱい読む練習をするようにしましょう。

(2018/03/29 執筆者:HATAMURA

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